Facebook
RSS
TOPに戻る
お問い合わせはコチラ
  • お知らせ

    11月の予定は近日中に掲載致します。

  • 実話こんなドラマが/経験の強み

    日々雑感

    夏空

    チャレンジカップ(交流戦)が終った。

    大会も沢山のドラマがあった。

    でも、ドラマは大会前にも沢山起きていた。

     

    今日はあるキッズの大会を通じた成長の過程を追ってみようと思う。

     

    その子は今4年生。

    幼稚園の年少からやっているので、空手歴はもう7年目を迎えている。

     

    大会にも年少から出場している。

    出場し続けている。

    でも、型は優勝出来ても組手は中々勝てなかった。

    彼には組手への苦手意識が芽生えてしまった。

    だから、大会だけでなく、例えば発表会の当日に泣いてダダをこねていたこともあった。

    組手がイヤで仕方なかった。

    それでもずっと出続けた。

     

    ちょっとずつだけど勝てるようになってきた。

    でも、大会が近づくとやっぱり「嫌だ」と言う方が強かった。

    大会用の稽古が始まると、よく目をまっ赤にして道場に来ていた。

    きっと泣いていたに違いない。

     

    でも、昨年あたりから組手をやっても全然下がらないし、相手に向っていくようになった。

    彼の強みは経験だ。

    全てのイベントに参加している。

    だから彼の中には「やれば(チャレンジすれば)出来る」って自信はある。

    ただ、それでもダダこねる時はまだあった。

    稽古も、こなしているが気が入っている時とそうでない時の差があった。

    だから大会当日を迎えても、何となく彼の中には逃げた感があったと思う。

    勿論、その逃げた感って言うのは大会出場を逃げたりっていうレベルのものではない。

    上級者にありがちな1つ上のレベルの不安感だ。

    だから以前は試合当日も「負けるかなー?」などと弱音を吐いていた。

    試合が終わってもケロッとしていた。

    どちらかと言うと終ってホッとしているようだった。

     

    彼は勿論今年も”普通に”参加した。

    いつものように一ヶ月半くらい前に大会用の稽古になった。

    道場に入ってくる時の表情も、そして稽古内容も今までとは違った。

    何となく覚悟を決めた顔つきになっていた。

    本気で勝ちたいと言う意欲も出て来た。

    それに、弱音を吐くと足を引っ張られるってコトがようやくわかって来たのだと思う。

    以前は声は出してもただ出しているだけだった。

    言われて何となく出している感じだった。

    でも今回は、自発的に自然と声と気が重なってしっかりとチカラにしていた。

    それに周りの子がやっている時やパートナーになった子には気遣った声が自然に出ていた。

    人一倍色んな経験をしているから、人の痛みも誰よりもわかるのだと思う。

     

    大会当日を迎えた。

    彼は何も言わなかったが、その表情は開き直ったイイ表情をしていた。

    彼は準決勝で負けた。

    一回り大きな相手にひるむ事なく向っていって負けた。

    勝負には負けたけど、自分には勝ったのだ。

    彼は涙を必死にこらえていた。

    でも、親の元に戻った瞬間にこらえていた涙が溢れ出た。

     

    次の日の稽古に空手ノートを持って来た。

    大会の反省が書いてあった。

    そこには大きくはっきりとした字で「負けてくやしかったです!」と書いてあった。

    恐らく彼が大会で負けて本気で悔しがるのはコレが初めてだと思う。

     

    チャレンジして、稽古も逃げないで、大会もこなすまでは今までと一緒。

    でも今回は、弱音を一切吐く事なく試合も最後まで諦めなかった。

    これは、今までとは一回りも二回りも大きさの違う経験をしたと言える。

    チャレンジの大切さと、それに対する取り組み方を彼は経験を通して学んでいる。

     

    この手の話は特にキッズにはよく話す。

    でも、理解には限界がある。

    いくら話しても、頭の中で理解しただけでは、逆に行動にブレーキをかけるコトが多い。

    けれども、経験したコトは瞬発力を持って反応出来ると思う。

    それは、色んな経験を重ねるたびに様々な状況に対応してきているからだ。

    知らず知らずの内にいくつもの壁を乗り越えて来ているのだ。

     

    彼はこれからも壁がやって来ても先ずは「出来る」って思うはず。


    « »