2026 TN夏合宿/黒帯のソウカツ

今回も大活躍、彼らがいなければ合宿は成り立ちません。
そんな我らのヒーロー、ヒロイン
私の誇りでもある黒帯が見せた合宿での活躍を総括しようと思います。
初の試みとして、各黒帯が中級者を2人ずつ固定で指導を担当しました。
初日の稽古と、2日目午前中までの計5時間。
課題は、ヌンチャクの型です。
長時間、固定の生徒を担当することで責任感と、個々の生徒に対して課題の把握と対処法。
2人の生徒では、癖も課題も違います。
限られた時間内で、2人をどうバランスよくリードして自信を掴ませることが出来るか?
まあ、難しかった事は想像に難いわけですが、そこはやはり黒帯ですね。
豊富な知識もあるし、教えるのも上手い。
彼らが経験して来たあの手この手を工夫して、丁寧に教えてくれていました。
ですが、上級者の前で最初に披露すると、既にお伝えしましたように結果は散々でした。
中級者にとって、壁は技術云々というよりも精神的なところです。
精神的なこと、というのは「稽古の仕方」。
「自信がない」
「難しい」
「失敗が怖い」
黒帯達は、自身の経験からそれはわかっていたはずですが、どうしても形にとらわれてしまっていたよです。
勿論、そうなるのも当然なことであり、仕方ありません。
2日目の午後には、黒帯に変わって私が指導しました。
その後の披露では、パフォーマンスの違いがわかったと思います。
これは、私が優れているとか、黒帯が物足りないとか言っているのではありません。
今まで長い時間かけて一つ一つの階段を上るような成長を遂げてきている黒帯達です。
また一つ上の成長を見据えた稽古に突入しても良い、そう思いました。
これは、親子や先生と生徒の関係もそうだと思いますが、受け取る側の成長に欠かせないのは伝える側の成長です。
目の前に生徒がいてくれる、生徒の前に立てるというのはラッキーなこと。
生徒達が見せてくれる一挙手一投足、もしくは発する一言は全て貴重なものです。
黒帯は、素直に受け止める謙虚さは持っていると思いますが、果たしてそれらを敏感に掴む事が出来ているのかどうか……?
例えば、美容に興味があるとします(私はゼロですが…ゼロではないですが、未知の分野です…)。
鏡に映る自身の変化には敏感だと思います。
それは意識の問題ですよね。
高い意識、ある程度の緊張感を持つには具体的な課題を課すことです。
それは、目の前に立つ生徒と黒帯自身に。
最初の構えだけでよし。
袈裟振りだけでもよい。
メインの箇所だけでも、最後だけでもよいのです。
また、目線を決める。
人の真似をしない。
不安に負けないで試す。
不安に怯えずに気を入れる(声を出す)等の、稽古の仕方の基礎でもよい。
先ずは一つでいいからそこに拘りを持ち生徒に伝えてほしい。
必要なのは「厳しさ」です。
伝えるのは厳しいです。
だからこそ、厳しく伝えないと伝わりません。
それと、生徒は2人いますからね。
互いに意識させて、競わせることも出来ます。
黒帯同士で競うことも出来た。
これ等全ては稽古の仕方の延長です。
もう一つ、人間「好かれたい」気持ちはあるでしょう。
すると、どうしても「優しく」「楽しく」接してしまうのもよく理解出来るところです。
それも大事な感性だと思いますけどね。
ですが、それでは例えば中級者がいざ披露するとなり皆の前に立つ、その緊張感を生むことは出来ません。
披露が本番だとしたら、その準備段階の稽古でプレッシャーを掛けていく必要があります。
「優しく」「楽しく」それだけでは結局指導する側も楽なのです。
「厳しさ」って文字通り厳しいですが、その経験は空手にとどまらず将来役に立つと思います。
それは「本気」を学べるからです。
仕事や勉強、護身も含めて生活って本当は本気の連続です。
フェイクや誤魔化しなんて面倒くさくて必要ないし、小手先の行動なんて自分に対して通用しませんからね。
本気でぶつかって見える景色はまた素晴らしいものですよ。
それを、黒帯達にはみせてあげたい。
さて、そんな黒帯の中で、今年6月に昇段したばかりの新黒帯が一人参加してくれました。
空手を始めたのは、10年前で彼女が5歳の頃でした。
当初は、あまり目立つ存在ではありませんでしたし、大会等のイベント参加にも消極的でした。
合宿への最初の参加は2018年、彼女が小学3年生の時。


因みにこの2人……。

今では、互いに黒帯となり皆をよくリードしてくれています。格好いい!

思い起こせば、3年前の12月に彼女は1級の審査を受けました。
審査後は、自らの不甲斐なさから泣き崩れていました。
型やリードはそれなりに出来ていましたが、彼女自身は全く納得いかなかったようです。
それと、組手は苦手意識が出てしまうという大きな課題が浮き彫りとなったのです。
彼女の特徴は、ずば抜けた優しさと真面目さでしょうか。
それが故に、納得する事や開き直りが苦手なのだと思います。
悪いことではないですが、必要以上に尾を引いてしまうところがその審査でも出ていました。
そんな、繊細なところが影響していたのかはわかりませんが、彼女は中学の時に人間関係で悩みを抱えていたのです。
その間、稽古の出席も落ち着きませんでしたが、それでも出席した時には積極的にリードしようとしている彼女の姿は目立っていました。
上級者としての自覚を強く感じました。
今年に入り、果たして彼女は昇段審査を受けるのか私の中では半信半疑でしたが、彼女は、迷いなく昇段審査の挑戦を宣言しました。
昇段審査に向けての課題は一つ、組手です。
ですが、彼女の高校生活も多忙を極めて課題に追われる日々でした。
審査までの三ヵ月は、結構無理して稽古に来ていたんじゃないですかね。
私もそれに答えるべくそれこそ厳しく指導してきました。
審査当日を迎えました。
彼女の表情は、準備万端、やり切った清々しい表情に見えました。
そりゃそうです、本番よりもキツい稽古してきましたからね。
それで、審査が始まると、最初の技の最初の気合で100%昇段することを確信しました。
あれだけ真面目な人間が、あれだけ本気で稽古をしたら自ずと結果はついてくるものです。
それで、肝心の組手ですが、良かったですよ。
相手は全て他の道場の黒帯でしたが、そつなくこなしていました。
苦手そうなそぶりは微塵も見せませんでした。
審査が終わると、また泣いていました。
ですが、今度の涙は解放された安心とやり切った充実感からでしょう。
この三ヵ月間、追い込んで稽古しましたが、10年の歴史あっての三ヵ月ですからね。
立派です。
現在、彼女は高校2年生。
合宿でもそうだし、高校生活も充実しているようで活き活きした表情をいつも見せてくれています。
中学の時の苦しかった経験は、彼女にしかわかりません。
ですが、こうして物事に真正面からぶつかることの出来る強さ、決して手を抜かない勤勉さは彼女の武器です。
今こうして黒帯を締めてた事、それから合宿での着実なリーダーシップ。
加えて、誰よりも人の気持ちを理解して寄り添う事の出来る優しさと、ぶれない芯の強さは彼女の経験から養われた貴重な武器となっています。
今後の活躍と更なる成長が楽しみです。



さて、様々なストレスを感じやすい世の中と言われています。
それだけ複雑、つまり選択肢も多ければ自由も多い。
何が本当か?
本物は何か?
本気はどうなんでしょうか?
本気で何かするってとても単純なことですし、得られるものも明確です。
何となく、大切にしなきゃいけない言葉のような気がしています。
今回は、合宿で見えてきた黒帯の課題について書いてみました。
本来は、立場や環境が「本気」にさせてくれるものだと思います。
例えば、私のようなプロは必ず本気で挑めます。
プロでなければ「なぜ?」と疑問を感じてしまうかもしれませんが、それは自身の成長の為です。
確かに簡単な事ではありません。
ただ、それはあくまでも結果を求める事に対してです。
出来る出来ないの問題ではありません。
やろうとするかしないかです。
それを挑戦出来るのは彼らの特権です。
今まで色々経験してきていますからね。
来年の合宿で結果が出るように、今から意識して挑んで欲しいと思います。
感謝と敬意をもって全力で支えます。
それでは








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