稽古の仕方を学ぶこと

後ろ蹴りという技があります。
直線の技で、且つ、踵の割と大きな骨を使うことから、一番強力とされています。
ただ、当然ながら難しい。
ウチではそんな難題が、8級(白帯で稽古を始めて次の階級)の課題となっています。
困ったものです。
いやいや、そこには理由があって「技との向き合い方に触れるため」だと私は思っています。
課題と向き合い、その習得を目指すわけですが、技や型を覚える事よりも大事なことがあります。
「稽古の仕方を学ぶ」ということです。
稽古の仕方を習得しなければ、技や型の本当の意味の習得は難しいとも言い切れます。
私の中で、細かな事を生徒に伝える時は、いつも自問自答していました。
「生徒は皆、空手家を目指しているのではなくて、稽古を通じて将来の為の成長を目指しているのだ。」
「そこまで教える必要はあるのか?」
そうずっと思っていました。
ですけど今夏は「そんな事どうでもよい」と、心境が変化したのでした。
空手に何を求めるかは様々だと思いますが、何か目的があり道場を選んでくれているのは確かです。
そこには、「成長を望むこと」と「未来を見据える」という共通点があると思うのです。
それに答えるには、やはりこちらもプロとしての「本気」で挑むべきじゃないか、そう胸張って思えるようになりました。
勿論、今までも手を抜いたことはありません。
ただ、何処まで教えるべきかでモヤモヤしていたのです。
例えば、子供達が将来の夢を持った時に空手の経験を活かして課題や壁と向き合ったり、自信を掴んでくれたら良いと思います。
それで、そんな時の壁って簡単じゃないわけです。
そもそも簡単だったら壁ではありませんからね。
そう考えると、小手先だけ、上辺だけの技や型を教えても意味がありません。
では、私が空手(稽古)で思う本気とは、技や型、組手を「稽古の仕方」と共に伝えるという事です。
技や型は稽古の仕方がわかれば、だいたい出来るようになるものです。
それに、あまり得意ではない課題にも理解と共に納得する事が出来ます。
そもそも、組手の為の型と技だとしたら、使う人によって合う合わないなんて当たりまえですからね。
では、具体的に稽古の仕方ってなんだ?って事ですが、こちらのブログをずっと読んでくださっている方なら、何となく伝わっているとは思います。
ここでまとめるのは大変なのでやめておきます。
あえて言うなら、それは日常生活に直結するという事。
上手く行かない事や自信のない時、失敗した事にも、全てが大切な経験として向き合えるようになるでしょう。
稽古の仕方を理解すると、向き合う壁が大きい程に感謝も大きくなるものです。
私が最終目標に掲げる「自分を大切にする」ということにもバッチリはまります。
では。
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