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  • アラバマ遠征/29年目の追憶

    日々雑感

    The Way We Were in Alabama

    2年ぶりのアラバマ遠征です。

     

    今回は、支部長合宿ということで、アメリカの支部長達を中心に3日間の稽古が行われます。

    再会や出会い、再認識、再確認や新発見などなど。

    練馬で待っている生徒達の為にも、可能な限りの経験を体いっぱいに詰め込んでいこうと思います。

     

    アラバマ遠征といえば、飛行機の延滞がつきものでスケジュール通りに事が運ぶことはありません。

    「アメリカだから仕方ない」そんな思いで羽田発の便に乗ると、なんと、今回は羽田で足止めに。

    悪天候により離陸出来ませんでした。

    例にもれずに、今回も、筋書き通りにいかない飛行機のエンターテイメントならぬ延滞テイメントには成す術はありません。

    それならば「成るようになる」ということで、寝るようにねましたが1時間経ってもまだ景色は変わらずに。

    結局、離陸時に掛かる加速Gにより起こされた時には2時間近くが経過していました。

     

     

    経由地のデトロイトでも予想通りの延滞テイメントでしたが、結局は、予定よりも1時間半遅れでバーミンガムに到着したのは悪くないのかもしれません。

     

    バーミンガムの空港にはロバートという、私が内弟子時代に彼は高校生ながら内弟子稽古に参加していた旧友が迎えに来てくれました。

    最高師範宅や本部道場があるホームウッドという小さな街は、空港から車で15分ほど。

     

    《ボケていても綺麗な、バーミンガムのダウンタウン》

    道中、近況や昔話に花が咲きますが、やはり互いにガンガン稽古した思い出や印象は鮮明に体が覚えていて、今の年齢に対しては互いに上手く受け入れられておらずに「アンビリーバボー」と笑い合ったのでした。

     

     

    最高師範宅に到着すると、最高師範は既にお休みになっていましたが、先にサンフランシスコから来られていた斉藤主席師範が出迎えてくれました。

    家に入ると、内弟子伝統のチキンスープの匂いが懐かしさを運んでくれました。

    最高師範がスープを作り、主席師範が用意する贅沢この上ないチキンスープは色んな意味で温かく旅の疲れを癒してくれました。

     

     

    さて、支部長合宿は金曜午後から開始です。

    今までは、あまり交流のなかった東海岸の先生達、10数年ぶりにお会いする支部長や、数年ぶりに再会を果たした先生達の総勢40名ほどが本部道場に集いました。

     

    勿論、その中には良くお会いするアトランタの高橋師範や、本部のカール師範代との再会もありました。

    《中央がカール師範代、右が斉藤主席師範》

     

    その中で、今回の目玉(言い方が失礼ですが)は、私が内弟子になった時の寮長で、現在はテネシーのナシュビルで指導しているヒデ先生との再会です。

    およそ、25年振りの再会は感慨深いものがありました。

    稽古や大会のこと、食事や掃除、寮でのこと。

    寮と道場の行き来やスーパーでの買い物。

    映画やランドリーに出掛けたこと等、思い出をあげたら切りがありません。

    寮長と私は一緒に行動することが多くて、当時は右も左も上も下も判らぬ自分にとて寮長の存在と影響の大きさは計り知れません。

    特に、キッズクラスにおける今の私の指導スタイルの原型はヒデ先生が大きく影響しています。

     

    お、お茶目

     

     

    さあ、支部長合宿の開始です。

    金曜日は17時45分から1時間半の稽古でテーマは「基本」でした。

    立ち方(構え)を決めること、体全身を使うこと、それに稽古に対する姿勢。

     

    これは、3日間通して私が自然に出来た結果ですが、最高師範の発する一語一句、一挙手一投足に対してまるでスポンジのような気持ちと体制で挑むことが出来たことは一つ大きな収穫です。

    全ての動作、行動を周囲の状況を活かして競争しリードして全力で挑むことが出来ました。

    内弟子卒の意地に加えて今では東京練馬の意地もありますからね。

    東京練馬の生徒の顔がポツポツ浮かんだのは事実ですし、これはマサに鬼に金棒状態でしょう!

     

    常に初心で挑むことがベストを尽くすことに繋がり、それにより胸を張る。

    とてもシンプルで原始的な自信の掴み方ですが、一番確実といえます。

    私の立場としては、当然そんなことは頭では理解しています。

    でも、理解しているからこそ体を使い実際に経験しなければ信用出来ないものです。

     

     

    2日目、土曜日の午前中は基本の型がテーマで約2時間の稽古でした。

    いくつか変更点があり確認出来ました。

    型は組手のイメージを持ち稽古する。

    型から基本を拾い技を追いかけて組手に活かし型の質を上げる。

     

     

    《我々内弟子は、決まって裏から道場に入ります》

     

    《階段を上ると最高師範の書斎、それから更衣室があります》

     

    《味がある昔と変わらぬ更衣室》

     

    《このベンチの右端がずっと私が使用していた場所です》

     

     

    続いて、午後のテーマは組手。

    こちらも1時間半くらい行いました。

    「前の手の重要性」から「決め技を捨てる(活かす)」ということ。

     

    アラバマの本部道場は、昔の私の道場のようにエアコンはありません。

    《金曜ランチクラスの稽古開始前の様子》

    2つのシーリングファンと、2つの床上ファンのみです。

    日中の気温は35度前後で、当然の様に暑いですが、広々していて高い天井、それに周囲には空気を遮る高い建物はありません。

    私には、稽古するには丁度よい環境に思えます。

     

    夕暮れ時は、そよ風と見渡す限りの木々たちが日中の暑さを吸い取ってくれているようで心地よい。

     

    今回はホタルにも会えました。

    一瞬、目の前をホワッと光る物体がありました。

    「蛍ではない」と断定できないので、あれはホタルです。

    内弟子の頃は普通に沢山いて、毎晩のように庭で舞踏会が開催されていました。

     

     

    日曜日。

    支部長合宿も最終日を迎えました。

    連日のように快晴です。

     

    今朝のテーマは武具。

    棒とトンファーを稽古しました。

    武具を使っても、基本は通常と同じです。

    構えを決めて、当てる、実践をイメージすること。

     

     

    さて、3日間掛けて行われた支部長合宿ですが、最高師範の言葉で強く印象に残るものがありました。

    それは「開眼」です。

    私は、この言葉はどこかゴールのような印象を持っていました。

    ですが、開眼して更に稽古を継続しなければ、開眼したものは上手くいかなくなるし消えてしまう。

    「意識から入り無意識に出来るようになるまで稽古する」

    これは、内弟子時代からずっと最高師範が仰っていた言葉です。

    課題に対し徹することで自然にヒントやコツが出てきてやがて無意識のうち出来るようになる。

    当たり前の様に聞こえるかもしれませんが、頭の中だけの作業で満足したり出来たと勘違いしやすい環境が今の世の特徴だと思います。

    内弟子時代から、最高師範の教えを乞うてきた身としては、実体験として頭の中の理解では不安が残りその時点で使いものになりません。

    体を使って稽古して初めて胸を張れる。

    すると体が動くから自信を掴む事が出来る。

    それが、健全な姿だと思います。

    これは、生徒達を見ても強く感じるところです。

     

    もう一つ、最高師範が今回何度も仰っていたのは「人との触れ合いを大切にする」という事です。

    これは、私も最近ずっと思っていることで、このブログでも何度も取り上げてきたテーマです。

    道場には人との触れ合いがあり、先のTNサマーキャンプでは生徒同士の触れ合いが満開で、合宿の底力を感じる事が出来ました。

    触れ合いがないというのは寂しい云々ではなくて、人の気持ちを理解出来ない、もしくはしようとしない環境が構築されてしまうのは本当に怖いこと。

    そんな、殺伐とした不穏な空気がストレスを与えると思うんですよね。

    人に聞けない聞かないとなると、様々な事に対して知っている振りをしなきゃいけないし、本当は理解していないから余計に見て見ぬ振りも横行しそうで……。

    そんなんだから謝れないし、向き合えないし逃げるしかなくなりそうで嫌ですね。

     

    さておき、私がアラバマに初めて行ったのが1997年の7月でした。

    その日は、奇しくも最高師範の誕生日と後から知った時には薄っすらと運命の様なものを感じました。

    あれから29年の月日が経つんですね ―。

    東京、練馬に道場を出して20年、私が32歳の時でした。

    そうそう、最高師範も32歳の時にアラバマに渡っているんですよね。

    今が今なので何とでも言えますが、これはやっぱり運命でしょう。

     

    幸いなことに、私はこの20年間、素晴らしい生徒達と巡り合えています。

    一緒に稽古してくれる、触れ合う事が出来る生徒がいる事はどんなにラッキーなことか。

    また、29年経っても一切色褪せることなく、初心でぶつかることを受け入れてくれるアラバマの地がある事は贅沢そのものです。

    がむしゃらに稽古した結果だと思います。

     

    今年の10月で道場は20周年を迎えますが、なるほど、生徒達が稽古したひと時をそんな風に思い返してくれたら言う事はありません。

    また、そう思ってもらえるように、今を一生懸命一緒に稽古に励もうと思う次第です。

     

    改めて、こうして日々を健康に暮らせているのは妻のお陰。

    そして、なによりも、胸張って稽古に挑むことが出来る、そんな人生観のベースを作ってくれたのは最高師範のお陰です。

    感謝を胸に、今日も人との触れ合いを大切に過ごしていこうと思います。

     

    溢れんばかりの経験を感謝で満たすことが出来ました。

    アラバマ遠征、大成功です。

     

     

     

     


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