雨情に彩る型カップ

夏休みを終えて、少し疲れの見える覇気のない太陽の光は分厚い雲に遮られ、空一体が不気味な程に薄暗い。
そんな、憂鬱極まりない悪天候も私にとっては希望の朝だった。
雨が降りしきる朝一の図書館には、私以外の姿はない。
職員も「人があまり来ない」ということを想定してか、一部の蛍光灯は消えたままだ。
窓越しから聞こえる地面を叩く雨音が、図書館の静寂さをより際立たせている。
私は、あえてテーブル席にはつかずに、床に腰掛けた。
そのまま横になった。
おやすみなさい……。
さて、これは私が学生の頃の思い出です。
大学2年の2学期だったと思います。
ここ最近の降り続く雨と、2学期という時期も重なったこともありふと思い出した次第です。
朝まで遊び、家に帰るのが面倒になると、授業までの空き時間は部室や教室で時間を潰すのが恒例となっていました。
ですが、ある雨の日に何かのきっかけで図書館に入ると快適そのもので、以来「徹夜、雨、朝一」この3拍子が揃うと、ちょっと心躍らせて図書館に向かったものでした。
あれから30年……。
気候変動は想像を超えて、暑さや雨の勢いは半端なく、もはや、若かりし頃の淡い思い出さえも消し去ってしまうのではないかと不安を感じます。
人の生活スタイルもガラリと変わりました。
スマホなんかもなかった時代です。
ほんと、待ち合わせとかはどうにか上手くやっていたんでしょうね。
その中に、程よい責任感と緊張感があり、会話や人同士の直接的やりとりがありました。
今と比べたら不便ですが、昔の方が社会全体で寛容な空気があったと思います。
良し悪しは別として、よりおおらかだった気がします。
多分、人自体の本質は30年前と然程変わってないと思います。
頑張っている姿をみたら元気になるし。
困っていたら手を差し伸べたくなるし、差し伸べられたら嬉しいし。
助け合う温もりや、競い合う熱さ。
困難に立ち向かう勇気や、乗り越えた時の自信。
感謝の潔さや我慢の逞しさ……。
前後左右、近くを見れば、心豊かになる要素の宝庫です。
ただ、今はそれが素直に表現しずらい空気なのはあると思います。
それら細かい葛藤が無意識のうちにストレスを与えているのかな。
今週末は型の試合ですが、生徒達が織り成す人同士のリアルなやり取りを存分に楽しみたい。
誤魔化しや小細工のない自然な緊張感は、我々に感動を与えてくれるはずです。
生徒の皆、2学期開始間もないこの慌ただしい時期に準備も大変だったと思います。
ですが、経験は準備を待って得るものではありません。
限りある機会の中で、工夫を凝らし最大限の準備をして積み重ねるものです。
また、一つの経験がダイレクトに自信や成長を得られるものでもありません。
時間を掛けて積み上げた経験の中から掴めるものが自信であり、ふと気が付くのが成長です。
挑戦を継続する限り、経験は結びつき効果を発揮するもの。
無意味な経験など一つもありません。
上級者は、合宿からの勢いそのままに立場を意識して積極果敢にリーダーシップを発揮しよう!
中級者は、色々と気付く事は出来るだろうから、躊躇ない行動が出来るかどうか試そう!
初級者は、とりあえず自分の型に集中してから格好良い先輩を探してみよう!
そんな皆が課題に挑みやすい環境を黒帯達は率先して作ってくれ!
とにかく、皆で声を掛け合い貴重な経験を全員で共有しよう!!!
雨の日の良い思い出となりますように…








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