組手のモヤモヤ活用術!

子供の生徒が通い出す頃には日は傾きますが、それでもギラギラの太陽が昼間に残していった暑さの残像は、コンクリやアスファルトでは反発し合い手に負えません。
まったく、夏本番が思いやられます。
さて、そんなある日のクラス前に、小学2年生の子が私にこう聞いてきました。
「師範、今日組手やりますか?」
「今日は多分やらないけど、組手は怖いよね!?」
「オス」
と、まあ、こんな感じです。
組手は怖いものです。
同じ階級で同い年とは言え、彼女の場合は一回り体の大きな男子と組む時が多いですからね。
勿論、加減はしています。
それに、彼女はそつなくこなせています。
ですが、体の大きい相手がいくらコントロールしているとはいえ、体重の差は大きいのです。
多少の技でさえ彼女のバランスは崩れやすい。
恐らくですが、実際に受ける体のダメージよりも、上手く出来ない事への不安が強いと思います。
だから、逃げ腰になり足が揃い体(構え)はひらくので技を貰いやすくて崩れやすい状態になっているように見受けられます。
そんなことから彼女の中での組手の感想は「怖い」「苦手」となっているんじゃないでしょうか。
私も組手は怖かったです。
アメリカ人大きかったですからね。
それに、内弟子になり2年目くらいまで?だったと思いますが、怖さはある程度慣れましたがある複雑な問題を抱えていました。
それは「なぜ、嫌いでもない人と戦わななきゃいけないんだ?」という、空手の世界に足を踏み入れた者としては致命的な疑問が湧いてしまったのでした。
当時は、稽古が嫌々で体は逃げていなくても気持ちは逃げていたんです。
逃げまっくて絞り出した答えがそれだったという事です。
ですが、ここが内弟子の強みというか重要なポイントは、休む間(魔)はありません。
稽古は続くよどこまでも……ということです。
その中で、組手も稽古もやがて「自分との戦いなんだ」と気付くのでした。
組手が皆ムカつく相手だったら楽だったのかもしれませんね!?
余談ですが、これ、顔面パンチありの稽古の時は、顔にパンチされると「ムカッ」となれて組手が楽でした。
さておき、以前も書きましたがこの変身するタイミングの話はいつかまとめて書こうと思います。
さて、その子ですが彼女は型をやらせたら抜群に上手いです。
普段の稽古でもそうですが、とにかく「決め」が秀逸で、意識を強く持つ判断力と集中力、潔さ、それに体が反応出来る俊敏性と行動力が高いレベルにあります。
昨年の型の試合(TN型カップ)でも、型を自分のものにしていた数少ない生徒の内の一人です。
みなぎる迫力と緩急を織り交ぜた流れは、正に型を演じる事が出来ていました。
当時はまだ一年生ですからね、大したものです。
そんあ彼女もまだ中級者ですからね。
組手を理解するのが初級者だとしたらその怖さを知るのが中級者です。
稽古の仕方を知りつつも上手く出来ない、なんでもそうですが、精神的に一番難しいのが中級です。
もう少し経験を積めば、やがてそれが「自分の為」と理解出来るはずだし「思ったよりも出来ている」事に気が付く事が出来れば、型と同様に組手もやがて自分の物に出来るはず。
経験を重ねて理解を深め、印象や認識が変化するのは、成長と自信を掴む堅実な法則だと思います。
彼女が成長して上級者になる頃には、同じく組手に苦手意識を持つ後輩は必ず存在します。
そんな後輩達の気持ちが一番わかるのは彼女であり、経験して来た先輩達です。
やがて、例えば合宿なんかで組手について話せる機会もあると思います。
そうこうしているうちに、子供達が感謝や尊敬を学んでいくのは良い事ですね。
本当に素敵な事だと思います。
さあ、雨や曇りを経験するからこそ晴に喜びや感謝を感じる事が出来る。
モヤモヤは、そんな喜びを爆発させるために力をためている時期ということです。
ちょうど蜘蛛の巣に引っ掛かっている状況のようなもの。
引っ掛かることが出来るのは前に進んでいる証拠です。
もがいている内にやがて抜け出せます。
堂々と胸張って受け止めれたら良いのです。
組手に苦手意識を持つ子は多いですが、ぜったい大丈夫。
みんな頑張れー!!!








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